史跡(神社、仏閣、遺跡、墓所)

台渡里廃寺跡

(国・県指定文化財)
【場所】渡里町

 水戸市の北部、田野川を見下ろす台地、渡里町に長者山と言われ、土塁・空堀などをめぐらす遺構があります。この付近に古くから古瓦等の出土が見られ、戦前・戦後を通しての調査により、白鳳〜平安時代にかけての寺院跡であることが明らかになりました。建物は、長者山・観音堂山・南方地区の3区から見つかっていますが、南方地区では土壇状(どだんじょう)の遺構(いこう)が確認され、「仲寺」と墨書のある土師器(はじき)等や「徳輪寺」の文字瓦から寺院が存在したことが知られ、土壇状の遺構は塔跡と推定されています。photo長者山地区と観音堂山地区の遺構は、那珂郡衙(ぐんが)に関連する寺院や正倉(しょうそう)の跡と見られる公的な建造物であったことは確かなようです。現在も確認調査中で、新しい発見がみられています。

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