自然・公園・文化

大塚成就院池のサギ草

【場所】大塚町

 大塚成就院池公園(おおつかじょうじゅいんいけこうえん)は水戸市の西部大塚町内に位置し、平成元年に水戸市によって公園として整備され、現在は地域住民の憩いの場となっています。成就院池の由来は元禄時代、開江町の正覚院(しょうがくいん)(真言宗)末寺の成就院がこの地にあり、その院の敷地にあった池が現在まで残ったのが成就院池で、いまもまだ「成就院不動堂」が存在しています。
 サギ草は昔からこの地域に存在し、現在は絶滅の危機にある貴重な野生植物ですが、公園内の湿地帯の一角を利用し、自生地として復元しようと平成五年より球根を移植して取り組んできました。サギ草は、真夏の暑さの中で、白鷺が群れ飛ぶように咲く純白の可愛い花で、以前は日本各地の湿地で見ることのできた野生のラン科植物です。
photo本州の四十一道府県に自生していたのが、現在は三県で絶滅、茨城県を含めた七県では一部自生しているという状況にあります。当初は、心なき人達によって盗難にも遭ったのですが、現在では毎年八月、自生地の緑のキャンパスで白い可憐な「白サギの舞」を楽しませてくれています。また、平成十八年七月に木道の下で黄金色に眩しく光る「ひかり藻」が発見されました。