史跡(神社、仏閣、遺跡、墓所)

報仏寺

【場所】河和田町887
【電話】029-251-5789

 報仏寺は、親鸞の直弟子である唯円(ゆいえん)が、建保6年(1218)榎本というところにある心字池のほとりに道場を開いたことに始まる、水戸地方真宗教団発祥の由緒ある寺です。この場所は現在の寺地よりも南西約500m、国道50号バイパスの南、田んぼと葦の間の数本の杉の木立の中にあり、「唯円房道場池」という標柱と明治44年に立てられた記念碑が建っており、親鸞もたびたびこの道場に滞在して布教したといいます。唯円房は『歎異抄(たんにしょう)』の撰者に擬せられていますが、これを否定する見解もあります。
 寺は春秋氏の滅亡と共に退転(たいてん)したと思われますが、光圀公(義公)によって元禄2年(1689)に再興され、現在地に移されました。
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 本尊の阿弥陀仏は文明13年(1481)の造立であることが墨書銘(ぼくしょめい)によって知られ、また、甲冑を着けて半跏(はんか)した特異の像容を持つ金銅(こんどう)の大黒天像は県指定の文化財です。また、山門と本堂の間には市の保存樹に指定されている“しだれ桜”の大木があります。