光圀公・水戸藩

救民妙薬


 光圀公は藩内巡視によって、庶民が病気や怪我のときに、薬の入手や医者の治療を受けられないことを知り、藩医・穂積甫庵(ほづみほあん)(鈴木宗与)に命じ、簡単に入手できる薬草や入手は多少困難でも実効性がある薬草の処方を記した本『救民妙薬』を作らせました。
 この本は、庶民のために野山の草木、動物など手に入るものを利用して薬を作ることや日常の健康法などをまとめたもので、解りやすい言葉で書かれています。

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- 写真は常磐神社 義烈館所蔵-

 元禄6年(1693)に出版された『救民妙薬』は、身近にある民間薬処方397種の使用法、特徴がまとめられ藩内のみならず藩外の人々にも読まれ、何度も版を重ね、明治・大正時代には活字本となって、病気の人たちの助けとなりました。