納豆食べ方コンテストvol.3 「禁断の納豆スイーツコンテスト」入賞作品

超絶技巧賞

納豆タルト勝村 博昭

【材料】

納豆のタルト パートシュクレ (21cmサイズ260)
○無塩バター 75g ○粉糖 47g ○全卵 24g ○アーモンパウダー 17g ○薄力粉 125g ○ベーキングパウダー 0.5g ○全卵 適量
納豆のアパレイユ
○納豆ペースト 50g(生そのまま) ○マスカルポーネチーズ 20g ○クリームチーズ 37g ○グラニュー糖 40g ○卵黄 18g 
○薄力粉 20g ○生クリーム 42% 175g ○甘酒2倍濃縮  100g
フランボワーズのゼリー
○フランボワーズピュレ 120g ○グラニュー糖 40g ○レモン汁 5g ○ゼラチン 6g ○フランボワーズのリキュール 5g
納豆グラッセ(材料は600g分。うち100gを使用)
○水 900g ○グラニュー糖 675g ○納豆 600g ○スターアニス 1個
(納豆クレーム) 納豆クレームのベース 
○納豆ペースト 135g(生そのまま) ○マロンペースト 81g ○マロンクリーム 54g ○ラム酒 12g ○グラニュー糖 100g
(クレームシャンティ)
○生クリーム42% 300g ※約170gと約120gに分ける ○グラニュー糖  30g
飾り
○溶けない粉糖 適量

作り方

~パートシュクレ~準備:乾燥納豆を粉末ミルグラインダーにかけてパウダーにする。薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるいにかける。

  1. 無塩バターをポマード状にして粉糖とよく混ぜる。

  2. 全卵を少しずつ混ぜていれる

  3. アーモンドパウダー、納豆パウダー、薄力粉、ベーキングパウダーを入れて混ぜる。

  4. ラップして一晩冷蔵庫に入れる。

  5. 強力粉(分量外)を打ち粉にして、パートシュクレを広げてピケをした後タルト型に敷き詰める。冷やして固める。

  6. 5を210度のオーブンで14分焼く。

  7. 全卵を溶きほぐし、5に塗って更に210度のオーブンで2分焼く。

~アパレイユ~ 準備:納豆をフードプロセッサーでペーストにする。

  1. 卵黄とグラニュー糖を混ぜる。柔らかくしたマスカルポーネチーズとクリームチーズを入れる。納豆ペーストを入れる。

  2. 1にふるった薄力粉を入れる。

  3. 2に生クリーム、甘酒を入れて混ぜる。

  4. タルトに3を流して190度で40~45分焼く。粗熱を取って冷ます。

~フランボワーズのゼリー~ 準備:ゼラチンを氷水でふやかす。

  1. フランボワーズピュレ にグラニュー糖を鍋に入れ軽く温めてグラニュー糖を溶かす。

  2. 1にレモン汁を加える。

  3. 別の鍋に、フランボワーズのリキュールとふやかしたゼラチンを入れて火にかけ溶かす。

  4. 3を2に入れる。

  5. アパレイユを流して焼いたタルトに、4を流す。冷やし固める。

~納豆クリーム~ 準備:納豆を沸騰したお湯で洗い、フードプロセッサーでペーストにする。

  1. 納豆ペースト、マロンペースト、マロンクリーム、グラニュー糖、ラム酒をフードプロセッサーで混ぜる。

  2. 固めに泡だてたクレームシャンティ170gと1を混ぜる。

~組み立て~

  1. フランボワーズのゼリーの上に、納豆グラッセを円形に乗せる。

  2. 納豆グラッセの円形の中心に、納豆クリームを100g乗せる。

  3. 2の上にクレームシャンティ120gをのせて、ドーム状にならす。

  4. 納豆クリームを絞り飾る。

  5. タルトの縁に泣かない粉糖をふるう。

アピールポイント

納豆と組み合わせた食材の相性が面白いタルトです。まず、土台となっているタルトのアパレイユ(中に入れている液体)は、納豆と相性が良い甘酒やチーズの発酵食品を混ぜてあります。これらの食材を混ぜることによって、納豆がスイーツとしてのメイン食材として劇的に主張ができて、とても美味しく変貌します。これだけでも十分に美味しいのですが、さらなる追求で、納豆のペーストと栗のペースト、生クリームを合わせたモンブラン風の贅沢なクリームをタルトの上にたっぷりデコレーションして絞ります。高級食材の栗と納豆を合わせるなんてどうかしていると思われそうですが、納豆スイーツとして地域の物を使うことにとても重要さを感じていて、笠間で有名な栗(今回はフランス産ですが)を使って、栗と納豆という新しい組み合わせにチャレンジしたクリームとなっています。このクリームがなかなかの絶妙な仕上がりになっていて、栗だけでは出せない美味しさ、納豆が全面に出つつも,より美味しく、高級食材に変貌するような味わいになっています。更に食べる人を飽きさせないようにタルトの中には、1週間かけて糖度を徐々に上げて作った納豆グラッセが忍ばせていて、更に味の変化にフランス菓子でよく使われるフランボワーズ(木苺)のゼリーを間に入れてあります。庶民的な納豆から、人気の喫茶店に並んでいるようなタルトに作り上げることができました。

審査員コメント

作者の高い技術とスイーツに対するとてつもない熱量が感じられる作品であり、納豆のあらたな可能性を感じさせるレシピです。タルトに仕上げる過程でグラッセ、アパレイユ、タルト生地などほとんどすべての構成要素に納豆が使われ、単なるトッピングとは次元の違う調理方法です。一流レストランで出てきてもそん色ない出来栄えであり、感嘆の一言につきます。唯一の難点は一般家庭で気軽に作るのが難しいことですね。